高森町教育支援センター『ぱれっと』をご存じですか?
- 学校へ登校することに抵抗感を持っている人に
- 自由な雰囲気のなかで、安心して過ごせる場所として
- 学習の遅れを取り戻せる場所として
自分のペースで、一人一人の歩みに応じた学習や運動、調理、ミシン、工作、イラスト、野外活動などを行い、子どもたちが安心して過ごせる居場所づくりをしています。
↑このように資料で紹介されている、高森町教育支援センター『ぱれっと』
ぱれっとチラシ実際は、どんな場所なのか!ということで、『ぱれっと』で子どもたちと接している玉置先生に話をお聞きしてきました。
『ぱれっと』ってどんなところ?
教室が安心できない、入りづらい、勉強が苦手、人数の多い場所が苦手といった様々な理由で学校への行きにくさを感じている子どもたちが、気軽に安心して過ごせる場所として、高森町内の小中学校それぞれに中間教室と呼ばれる教室が設置されています。
中間教室では、子どもたちの気持ちを1番に考え、子どもたちの意思で登下校できたり、その子のペースを尊重してくれるため、所属の学級に行くことに抵抗を持ってしまっていても通いやすい環境づくりがされています。
しかし、学校内にあるため学校へ行くこと自体に抵抗があるとなかなか通うのが難しいという子もいるのが現状…
そんな子どもたちのために開かれているのが、高森町教育支援センター『ぱれっと』です。
利用登録をすれば、9:00~15:00の間、いつ行ってもいつ帰ってもOKで、1時間目はぱれっとに来て、そのあと学校に登校している子や、学校から3時間目だけ『ぱれっと』に来て学校に戻る子、『ぱれっと』で3時間ほど過ごして帰宅する子など、利用の仕方は一人ひとり違っていて、月に1回行っている体験活動の時に参加する子もいるそうです。
ひとりひとりが安心して過ごせる居場所
『ぱれっと』で大切にしているのが、子どもたちの自宅以外の居場所作り。
安心して生活できる環境づくりを第1に考えているので、各学校にある中間教室と同じような過ごし方はもちろん、来ていた子どもたちや先生と一緒にカードゲーム、ドッジボール、サッカーをしたり、パソコンを使って無料のゲームを楽しんだり、工作や手芸など子どもたちがやりたいことを先生も一緒に楽しんでいるのだそうです。
もちろん、勉強がやりたい子には学習支援を行っていて、小学生は基本的な計算、漢字、中学生は自分でやりたい課題を持って来て取り組むことが多いのだとか。
また、体験活動をする際には、ぱれっとに登録している方に連絡をして、おてこの会の方々の協力を得ながら、ピザ作りやカレー作り、手芸などを行っています。
↓ピザ作りの様子は、こちらの記事でも紹介しています↓
https://attaka-kids.jp/p/21386/
2024年12月には、小中学生16人が参加して、クリスマスケーキ作りをしたそうです🎄
それぞれ自分で焼いたホットケーキを重ねて、思い思いのトッピングをしてみんなで楽しく食べたそう!
2025年1月28日には、『スイートポテトと焼きそばづくり』が計画されています。
他にも、遠足企画で電車に乗って飯田市へ行ったり、中学生は地域の企業見学へ行ったり、保育園実習、農業体験などを行ったり、商工会にお願いをして学校の授業とは別に職場体験のようなこともしているそうです。
学力とは、生きる力
学力という言葉を聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
私は、テストの点数や通知表で評価されていること、それが学力だと思っていました。
学校で学んだことが,子供たちの「生きる力」となって,明日に,そしてその先の人生につながってほしい。
これからの社会が,どんなに変化して予測困難な時代になっても,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,判断して行動し,それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。そして,明るい未来を,共に創っていきたい。
「学習指導要領」には,そうした願いが込められています。
これまで大切にされてきた,子供たちに「生きる力」を育む,という目標は,これからも変わることはありません。
一方で,社会の変化を見据え,新たな学びへと進化を目指します。生きる力学びの,その先へ
「学習指導要領」の内容を,多くの方々と共有しながら,子供たちの学びを社会全体で応援していきたいと考えています。
文部科学省HP 平成29・30・31年改訂学習指導要領の趣旨・内容を分かりやすく紹介 より
しかし、文部科学省が2020年に改訂した学習指導要領によると、学校での学びは将来自分で考え判断して行動し、それぞれが思い描く幸せを実現するための生きる力をはぐくむためのカリキュラムになっており、必ずしもテストの結果では評価できないものだと知りました。
『ぱれっと』の玉置先生のお話の中でも、
「今の学校での学習だけでは、国が求めている学び(生きる力を身に着ける)のは難しいため、教育者も保護者も考えを改めていかなければならない」
「それぞれの子どもにあったやり方で、自分で考えて自分で行動するための力をつけていく場所が必要」
「やりたいことが見つかれば、それに向かって必要な勉強がしたくなるもの」
という言葉が印象に残っています。
子どもたち一人ひとりが、自分を表現できる場所、それが『ぱれっと』
玉置先生が『ぱれっと』で子どもたちと接するときに大切にしていることが子ども目線だそうです。
- 子どもたちが何を考えているかを理解して、それに合わせて支援していく。
- 子ども一人ひとりに合わせた表現の仕方を見つけて、表現できるように声をかけていく。
子ども目線を理解して、大人としてどんな手助けができるかを考え声をかけ、生きる力を身に着けるための第一歩、自分の想いを表現できる力を身に着けてほしいと言っていました。
我が子も学習しづらさを抱えていたり、学校への行きしぶりに悩んでいます。現在進行形で…
きっかけはさまざまでも、学校へ行きたくないと思ったことは誰でもあるのではないでしょうか?
それでも実際に学校へ行かない選択をするのは、子どもも親もとても勇気のいることだと思います。
学校へ行かなくなると、家から出ることがほとんどなくなり、ずっと外へ出られなくなるのではないかと私は考えてしまっていました。
でも、学校内にある中間教室や『ぱれっと』存在を知って、教室に居づらくなったら中間教室に行ってみる、学校に行きにくさを感じたら『ぱれっと』に行ってみる、フリースクールに行ってみるなど、いろいろな選択があると分かっただけでも少し気持ちが楽になりました。
むしろ、我が子が『ぱれっと』に行き始めたら学校には見向きもしなくなる気がします…
それがいいのかは置いておいて、学校へ行っていれば大丈夫というわけではなくて、家庭や地域も一緒に子どもたちの学びの手助けをしていくことが、生きる力を身に着けるうえで大切なのだと感じました。
もし、今学校への行きしぶりで悩んでいる方は、高森町教育支援センター『ぱれっと』に一度相談してみてはいかがでしょうか?
https://attaka-kids.jp/p/21516/
高森町まちづくりを語る会でも、『ぱれっと』について話題に上っていたそうです。
高森町教育支援センター『ぱれっと』について、たくさんの方に知っていただけるとうれしいです。