先日お知らせした町民と議会の懇談会、2月11日(火・祝)の下市田区民会館の回に参加してきました。19時から1時間半の予定で始まり、最終的に15分ほど延長で終わりました。町議会はこれからもこういった会を開催したいと考えているようです。この記事が、「次の機会には私も参加してみようかな」と思ってもらえる一助になると嬉しいです。
やっぱり参加者に偏りがある
「まちづくりを語る会」の記事でもお伝えしましたが、今回も参加者の年代や性別に偏りが見られました。町民側の参加者は約15名でしたが、そのうち女性は私含めて2名。女性議員を含めても4名。心細い。この心細さが、参加者が偏る理由のひとつでもあると思います。
議会からの報告
①議会基本条例について
令和6年9月に制定された、高森町初の議会基本条例。組織及び運営の方針、基本的ルールをまとめたもので、議会は「何のためにあるのか」、議員は「何をするのか」、これを条例の形で住民に示し、議会・議員の活動の指針とすることを目指しています。実際条例の前文では「町民の声を聞く」「議員間討議」が明文化されています。
以下の3つが条例制定の意義として挙げられていました。どれもとても大切なことだと思います。
閉鎖的な議会から、住民に開かれ住民と歩む議会
質問・質疑だけの場から、議員間討議を重視する議会
追認機関ではなく、首長等と政策競争をする議会
この条例の目的が達成されているかどうか一年ごとに全議員で検討することも、条例内に定められています。形骸化したものにならないよう、また時代に即したものになるよう、こまめに確認をするということですね。町民からもこういった条例ができたのは喜ばしいという声がありました。
議会基本条例は、高森町公式ホームページから全文読むことができます。ぜひ一度目を通してみてください。
実は、過去の議会の質疑などもホームページで確認できるんですよ!

②議会・議員に対する意識調査の結果
近年、全国的に町議会選挙の無投票・定員割れという状況が増加傾向にあります。高森町でも前回の町議選は無投票でした。このままでは地域の声が行政に届きにくくなりますし、議員のなり手不足も深刻化する恐れがあります。この議員のなり手不足に対するアプローチ方法を探るため、昨年行われたのが今回の調査。町民が持っている議会・議員へのイメージの把握と、議員になった場合に求める取り組みの確認が、この調査の目的です。
詳しい調査結果は後日、高森町公式ホームページに上げられるとのことですが、今回口頭で説明を受けてみて一読の価値がある調査結果だなと感じました。ただアンケート結果を垂れ流すのではなく、クロス集計をして性別や年代などで傾向を掴もうとするなど、分析をしっかりしていることがわかります。
分析をした結果導き出されたのが、以下の4つ。
①町民の意見を聞く機会を充実させること
②議員の資質向上を図ること
③情報発信を拡充すること
④議員定数・議員報酬を見直すこと
条例とも重なるところが多くありますね。実はこの4つ、今回の懇談会に出席した町民の意見ともかなり一致してたんです。つまり高森町民の多くが、「私たちの声を町は聞いてくれていないな」とか「情報がうまく手元に届かないな」と思っていたんですね。この調査結果を活かして改善されれば、そういった不満も薄れていく可能性が高そうです。

調査結果はこちらの議会だより162号にも載っています。
議会だよりは高森町公式ホームページから、電子閲覧ができるようになっていますので、ぜひ目を通してみてください。
今号では読者アンケートも実施しています。
町民との意見交換
町民側からはたくさんの意見・疑問が出されましたが、もっとも関心が高かったのが温泉施設のリニューアルについて。町では基本設計案への意見を2月20日まで募集していますが、先日経過報告会が行われ、より多くの情報が町民に回ってきたことなどから注目されていたように思います。特に、予算が当初の3倍に膨れ上がっていること、あまりにも進め方が性急に思えること、そもそも町民に対して説明不足であることが指摘されました。
この他に、女性議員を増やす取り組みについてや、町民からの意見を集めるのにもっと工夫が必要ではないか、町民の自治意識も薄れているから参加意識を高める必要があるという意見など、活発に言葉が交わされました。
そして上記のアンケート結果とも重なる意見も出ています。小さくても大きくても町民の声を聞く場を作っていくよう頑張ってほしい、聞くだけで終わらず実現するための努力をしてほしい、SNSなどを活用してさまざまな世代に情報発信してほしい……。以前「語る会」と町とのまちづくり懇談会では「意見を言ってくれる町民が少ない、無関心なのでは?」という声が町からありましたが、今回の意識調査や懇談会から見ると、個人的には完全に無関心というわけではなくて意見を飲み込んでしまっているのではないかと感じました。
今年の7月には町議選が予定されています。役場や議会、町民が歩み寄って、高森町がより良い町になるよう進んでいけたらと思います。
