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春祭り…高森町に春を呼ぶ! 3月先陣を切る萩山神社をPick up★

 今年も高森町に春が近づいてきました。昨年当ブログでは町内外の桜スポットを紹介しましたが、その中の一つである萩山神社では、毎年3月下旬に地域の区民が一体となる春祭り春季例大祭)が行われます。春祭りそのものは町内や飯田市などの他の神社でも開催される春の風物詩ですが、ここ萩山神社はその中でもトップを切って開催される、まさに下伊那地域に春の訪れを告げる行事となっています。気候によっては桜の開花とも重なり、より季節の雰囲気を感じられる萩山神社の春祭り。こちらで特徴や見どころを先取りして、ぜひ見物にお出かけてしてみてはいかがでしょうか? 

1.祭りの歴史・由緒

 萩山神社の春祭りは、多くの地域がそう望むように、地域やそこに暮らす人々の安寧、五穀豊穣などを願って行われており、その歴史は今年で229年にもおよびます。神社の例祭ではありますが、ここの獅子舞の起源は、神社にほど近い安養寺というお寺に関わり、その昔安養寺の守護神であった荒神社の御開帳の際に獅子舞を披露したのが始まりといわれているそうです。その後、大正時代に荒神社は神仏分離で萩山神社に移され、さらに分霊されて現在の場所に祀られているという歴史があります。「萩山神社の春祭り」といいながら、なぜ安養寺でも獅子舞の奉納をするのか私もずっと不思議でしたが、この3カ所にはこんなつながりがあったんですね!

参考までに…3カ所の位置関係です(萩山神社は参道入り口の鳥居前)歩いても10分ほど

2.特徴

 萩山神社の春祭りにおける大きな特徴は主に2つです。まずは、見るからにとても大きな獅子舞、地元では「屋台獅子」と呼ばれています。そして、その先頭に立つ、頭に白い熨斗をつけた3人の少年。それぞれについて紹介します!

 この春祭りでまず一番に目を引くのは、「屋台獅子」と呼ばれる大きな獅子舞です。一般的な獅子舞は頭や胴体を1人~複数人が動かして舞いますが、屋台獅子はただ人数が多いというわけではありません。「屋台」という言葉から連想される通り、胴体の幌の中は車輪がついた骨組みになっていて、舞い手やお囃子衆などが入っています。この屋台獅子は、町内にある瑠璃寺が源流と言われていて、飯田・下伊那の中では多くの地域で見られる特徴的な獅子舞です。

頭に対して胴がとっても長い獅子舞です(写真拡大できます)

 獅子舞の先頭に立つこの3人は、「獅子曳き」と呼ばれる童子たち。肺を患って顔が青白い松王、一番力持ちで暴れん坊という設定の梅王、兄弟では一番非力な桜丸という3人の獅子曳き役は、下市田の6地区から3地区ずつ隔年で選ばれています。主に小学5~6年生が抜擢されるこの役を務めることは大変な名誉で、選ばれた少年は生涯災厄を免れるという言い伝えもあるそうです。

左から松王・桜丸・梅王(写真拡大できます)

 なお、特徴ゆえの注意ポイントですが、萩山神社は諏訪大社の神様をお祀りしているので、諏訪大社で御柱祭が行われる寅と申の年は同じように御柱祭になります。この年は獅子舞など通常の春祭りは行われないので、見物を考えられる場合は注意してください。

3.見どころ

 やはりまずは、獅子曳きの3人と獅子舞でしょう!獅子舞は、邪気払いの鬼や天狗を伴って登場します。童子たちはまるで歌舞伎のように見えるメイクですが、その演舞はまさに「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」という歌舞伎の一場面から来ていて、「三つ子の兄弟が獅子を起こし、それを主君の仇討ちに見立てて切りかかり本懐を遂げる」というストーリーになっています。熱気あふれる演舞も、そんな中身を知っているとより楽しめると思います。また、演舞が行われる安養寺や萩山神社はそれぞれの場所の背景や桜の開花状況などで雰囲気が変わるので、どこで写真を撮っても趣がありますよ♪

安養寺での演舞(2024年)
萩山神社での演舞(2024年)

 本祭りである2日目には、最終目的地である萩山神社で獅子舞とともに、浦安の舞が祭りのクライマックスを飾ります。こちらは、毎年下市田の各区から選ばれた小~中学生6人が巫女となり、厳かで優美な舞いを奉納します。華やかな獅子舞につい目が向きがちなところですが、こちらもぜひ見てほしいポイントのひとつです!
 それから、獅子舞の後ろの方にも注目してみてください。しっぽになるあたりに、筒から赤っぽいヒラヒラしたものが飛び出ています。獅子花(ししばな)と呼ばれるこの飾りは、町内では厄除けとして飲食店の玄関や一般家庭の軒先などに飾られていることが多く、春祭りでの縁起もの。毎年決まったポイントで獅子舞が体を大きく揺らし、獅子花もしなるように上下します。動きが大きくなったところで誰かが一本捕まえたら皆次々に引き抜きにかかるという大争奪戦。荒ぶる獅子舞と奮闘する区民たちに祭りの熱気が感じられる場面です。

浦安の舞(2019年)
赤丸の部分が獅子花

4.2025 春祭り情報

2025年萩山神社春祭り 日程

2025年の春祭りの日程です。毎年3月最後の週末が慣例となっており、今年は3/29(土)~3/30(日)の2日間です。29日の宵祭りも荒神社で演舞が行われますが、各地で公演するメインの本祭りは30日です。詳しい時間等は左の画像をご覧ください。(クリック等で拡大します)

 また、昨年より動き出しているこどもカフェ おひさま が、今月はこの春祭りに合わせて3/29に開催されます!おいしいおはぎをいただいて、ゆっくりひと休みをしたら獅子舞が安養寺にやってきますよ!詳しくは、下の記事をご覧ください。

5.高森町内や周辺地域の春祭り

 以上、下市田区の萩山神社春祭りについてご紹介しましたが、高森町では各地区の寺社ごとに春祭りが行われ、観光地としても有名な瑠璃寺の、宇天王が引く獅子舞や、獅子ではなく虎が登場する新田地区の虎舞など、場所によって特徴も様々です。高森町のホームページには、地区の民俗芸能を紹介しているページがありますのでぜひこちらものぞいてみてください。
 また、飯田市の中でも高森町の隣にあり、元善光寺が有名な座光寺地区では、元善光寺のすぐそばにある麻績神社で、萩山神社と同じように三童子が登場する春祭りが行われています。 
 2025年の春、高森町内では10地区で春祭りが催行される予定になっていますので、ぜひお花見もかねて高森町を巡ってみませんか?(公演日程はこちらから確認できます)そして、素敵な春の空気を感じてみてくださいね(^_-)
 

柿丸

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