飯田線下平駅から徒歩3分。田沢川沿いに、トンネル状の素敵な桜並木があります。小道の左右に20本ほどと小規模ですが、国道から一本奥に入っているせいか喧騒からは遠く、川のせせらぎを聞きながら歩けば、まるでドラマの登場人物になったかのような気分を味わえます。
松木土場という地名は、江戸末期に財を成した材木商の土場(木材の集積場)があったことに由来すると考えられています。また、桜並木の一角にある石碑によると、松木土場はもともと暴れ天竜から田畑を守るために築かれた堤防でした。水難のないことを願う九頭龍大権現碑もあり、先人たちの思いが垣間見えます。
この桜たちは、田沢川の整備の際に植えられたそうです。10年ほど前までは知る人ぞ知る隠れた名所だったのですが、ここ何年かで広く知られるようになりました。ウォーキングやサイクリングを楽しむ方も多く見られ、その歴史も含めまさしく地域の宝と言える場所です。
下平駅近辺はドン・キホーテやカインズなどの商業施設があるほか、サッカー場やMIZBEステーション(河川防災ステーション)の整備が進められており、これからますます賑やかになっていくことでしょう。豊丘村と高森町を繋ぐ竜神大橋も2026年度下半期の開通を目指し、着々と工事が進んでいます。
専用の駐車場はありません。道路であり道幅も狭いので、訪ねる際は十分に気を付けて桜を鑑賞するようお願いします。
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