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人形歴史スペクタクル「平家物語」衣装展が開催されています―長野県・飯田市川本喜八郎人形美術館―

令和6年4月からNHK・Eテレで再放送が始まった人形歴史スペクタクル「平家物語」。毎週月曜日午後10時50分から「おとなの人形劇」という枠での放送ですが、93年~95年の放送時に見ていた方はもちろん、初めて見る方にも老若男女問わず、とても好評だそうです。かくいう私も毎週しっかり楽しんでいます。

この平家物語の人形制作を担ったのが人形美術家・人形アニメーション作家である川本喜八郎。飯田市のりんご並木近くに飯田市川本喜八郎人形美術館があり、人形劇「三国志」や「平家物語」などで使われた人形を見ることができます。

飯田市川本喜八郎人形美術館
入り口では諸葛亮孔明が出迎えてくれる

入口で出迎えてくれるのは「三国志」諸葛亮孔明の大きな人形。今まではこの人形以外撮影禁止でしたが、4月からその他人形も撮影OKになりました。SNSへのアップも大丈夫だそうです。ただしフラッシュ撮影や動画撮影は禁止で、他にもいくつかルールがありますので、それらは必ず守ってください。

まずは常設展示から

常設展示は「三国志」と「平家物語」からそれぞれ特集を組んで展示されます。2024年12月24日(火)までは「三国志」より、三国鼎立から秋風五丈原をテーマに人形が飾られています。

人形劇「三国志」より、劉備と曹操

「平家物語」は「女人平家」と題し、女性たちばかりが集められていました。ちょうどその週の放送で登場した祇王と仏御前、そして常盤御前と子供たちが最初に展示されていたので、「今週の復習かな?」と一瞬ドキッとしてしまいました。

「平家物語」より、祇王、仏御前、常盤御前と子供たち

もちろん、女性たちばかりではありません。平清盛と源頼朝を始めとする源平の男たちの勇ましい鎧姿なども見ることができます。またSNSでもその悲劇さが話題になった袈裟御前たちも展示中です。

袈裟御前と源渡
平家と源氏

展示を見ていたら係員さんが声をかけてくれました。「人形の仕組みなどをご説明しますよ」とのこと、ぜひ!とお願いしました。とても詳しく、楽しく実演してくれますので、声をかけられたら気軽に見せてもらってみてください。

手に付いている黒い棒は「差金」といい、もしかしたらアノ言葉はこれ由来かも……!?

人形自体は700g、着物を着付けて3㎏ほどの重さになるそうです。人形を持ち上げて操るので、操者の腕に負担がかからないよう、できるだけ軽くなるよう工夫されているんだとか。
まばたきや頷きといった人形の仕組みも、実演してもらうとより分かってさらに楽しいです。川本の人形の特徴や美しさの秘密も教えてくれますよ。

企画展「人形衣装展 川本喜八郎の平家物語」

4月27日(土)~7月15日(祝・月)にかけて、人形劇歴史スペクタクル「平家物語」で使用された人形用衣装を展示する企画展「人形衣装展 川本喜八郎の平家物語」が開催されています。

常設展示ホールを出てすぐ、ホワイエ横で特別展をやっています

川本喜八郎の人形は、顔の美しさはもちろんですが、美麗な衣装にも定評があります。これらの衣装を担当したのが、長年川本と共に仕事をし、「三国志」でも衣装を担った佐藤三郎です。

今回は「平家物語」に登場した衣装の中から、直衣や狩衣、袿など約20着が展示されています。

平清盛の狩衣
平時子の袿

人形用なので衣装自体は小さいですが、その迫力は人間用の着物なのではと思ってしまうほど。キャラクターに合わせて作られた衣装はどれも豪華で、生地の美しい染めや艶をじっくり間近で眺めることができます。

浄海入道(平清盛)

衣装が並ぶ中に、ひとつ重要な人形が展示されています。出家した平清盛の最晩年の姿、浄海入道の人形です。栄華を極めた清盛が、老齢となって何を思うのか。物語の行く末がとても楽しみです。
また、常設展示ホールにある鎧姿の清盛と比べることのできる貴重な機会にもなっています。

人形アニメーション上映

映像ホールでは、11時と14時から川本喜八郎が制作した人形アニメーションが上映されています。人形アニメーションとは、人形を少しずつ動かして1コマずつ撮影し、まるで人形が動いているかのように見せる、いわゆるストップモーション・アニメーションのひとつです。近年では「PUIPUIモルカー」などがそれに当たります。

人形アニメーション「花折り」に登場する人形たち

今回見たのは、1968年制作の作品「花折り」。壬生狂言を元にした喜劇で、上映時間は15分ほど。住職に「寺宝の桜を守るため、境内に決して人を入れてはならぬ」と言い付けられた小坊主と、どうしても境内で花見をしたい大名と太郎冠者の駆け引きが笑いを誘う、楽しい作品です。お経と笑い声くらいしかセリフもなく、パントマイムを見ているような気分になります。2D(平面)の背景と3D(立体)の人形たちがもたらす視覚的なおもしろさにも注目です。

イベント・匂い袋を作ろう

川本喜八郎は、人形衣装のためにたくさんの生地を収集していました。この生地を使って匂い袋を作るイベントが6月1日(土)にあります。午前と午後、1回ずつです。※各回20個限定

  • 時間:10:30~12:00/13:30~15:00
  • 場所:飯田市川本喜八郎人形美術館 2階交流ゾーン
  • 料金:500円

詳しくは美術館のHPをご確認ください。

平家物語目当てのお客さんが増加中!

Eテレでの再放送が始まってから、明らかに「平家物語」目当てのお客さんが増えたとのこと。グッズ売り場にも関連商品が増えているそうですよ。放送を見ている方も、見ていない方も、ぜひ足を運んでみてくださいね!

柿丸

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