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「高森町まちづくりを語る会」懇談会に参加してきました―長野県高森町―

少し前になりますが、11月16日に福祉センターで行われた「高森町まちづくりを語る会」による町との懇談会に参加してきました。

高森町まちづくりを語る会は昨年2023年に発足した会で、定期的に有志の町民が集まり、高森町の課題や未来に向けての意見交換をしています。インスタグラムで情報発信しているほか、回覧板などにも開催チラシが挟まってくるので、名前に覚えがある人も少なくないのではないでしょうか。

高森町は以前から、各地区で行われるまちづくり懇談会以外にも、町内の各種団体との懇談会開催を呼び掛けてきました。今回は「語る会」がその呼び掛けに応じたものです。各地区での懇談会についてはしっかりした記録が町公式HPに掲載されていますので、ぜひ一度目を通してみてください。

参加者偏りすぎ問題

さっそく懇談会の内容をレポート……といきたいところですが、初っ端から問題勃発。それは参加者の年齢・性別が偏りすぎ!ということ。会場である福祉センター大ホールに入った途端「もしかして会場を間違えたかな?」と不安になるくらい、若い人・女性が少なかったんです。
16日は町内外で他にもたくさんイベントがあったからかもしれませんが、こういった懇談会への参加者が限られた範囲になってしまうのはとても残念ですし、意見も広がらないのではないかと感じました。

懇談会は町長の話から

参加者みんなで意見を出し合う前に、町長から「これからの高森町の姿」ということで話がありました。人口減少・少子高齢化を最重要事項として教育について、リニアや三遠南信道路について、役場や湯が洞などの都市計画についてなどが挙げられていました。

「語る会」の方針で、懇談会はロの字形の車座方式で行われました。主な議題は以下の4つ。それぞれ前回までの「語る会」で出された意見を統括して代表者が話したあと、意見を求められる形でした。

①農業・環境(空家、遊休農地、荒地対策など)
②教育(子育て支援の学校給食無償化、不登校対策など)
③観光(MIZBEステーション、温泉施設など)
④福祉(高齢者、障害者、子どもなど)

いずれも町民として気になる話題ばかりですが、子育て応援ブログであるあったかキッズでは特に②教育について取り上げたいと思います。

今、高森町の教育におけるもっとも大きな課題、それは「不登校問題」です。全国的に不登校割合は増えていますが、高森町の比率(人口比率)は全国や飯田市のそれと比べ約2倍と、非常に高いのが実態です。この深刻な状況を鑑みてか関係資料も別に用意されており、強い危機感を感じました。

町でも学校でもさまざま対策を取っており、特に大きな役割を果たしているのが教育支援センター「ぱれっと」です。しかし福祉センターの建て替えに伴い、場所を移してはどうかという議論があり、それについてはまだ検討中とのことでした。

学校からの日常的な情報が不足しているのではないか?という疑問や、フリースクールに通う料金の補助を求める意見もありました。後者については町からは補助制度(一回500円)が今年度からスタートしていることが説明されました。

また、学校給食無償化は長年強く求められていることですが、いまだ実現していません。町長も「自分の任期中はそのつもりはない」ときっぱり言い切っていました。

その他の議題含めて詳しいことは、「語る会」でまとめてくださると思うので、そちらをお待ちください。

総括

議題②教育まで終わった時点で予定終了時間の11時30分間近になってしまい、30分延長して12時まで続けられました。それでも十二分に話ができた感覚は薄く、特に後半2つの議題は駆け足で終わってしまいました。町長からは「たくさん意見を出してもらえてありがたい」、「語る会」会長からは「熱心な討議ができた。しかし時間が足りないのは課題がたくさんあるということだ」との言葉がありました。

終わってみていくつか気になったことがあります。それは、話し合いを円滑に進めるためのマナーが私たちに不足しているのではないかということです。取り扱う内容が多いこともあって、会の始めに進行者に従ってほしいとの注意があったのですが、話の途中で「手短に」と言われても長々と話しているなど、傍から見てちょっとどうなんだろう?というシーンが何度か見受けられたのです。果たしてこの懇談会、子どもたちに胸を張って見せられるか?と不安になりました。

懇談会に参加していた知人にも後日話を聞いてみましたが、やはり「参加者の属性が偏りすぎていると思う。もっともっと若い人たちに出てきてもらわないといけないし、そういう人たちの声が聞きたい」と心配されていました。

今回は町との懇談会だったので、次は普段の「語る会」にも参加してみたいです。そちらは今までテーマごとの分科会方式がとられているようなので、もっと気軽に参加し、お話ができるかもしれないと思いました。また、若い人限定や女性限定でのお話もしてみたいです。

私たちにできること

今回の懇談会を経て、忙しいとかちょっと面倒だな、などと思って、意見を表明する場になかなか足を運ばなかったことを反省しました。町からのアンケートなどにはなるべく答えてきたつもりでしたが、対面で意見を交わし合う、双方向のコミュニケーションが大切だということを改めて実感しました。
ただ、そういった場になかなか足を運びにくいというのも事実です。初めて行く場所、見知った人のいない場所へ赴くだけでも緊張するものですが、ましてや意見を表明するかも?と考えたら、遠巻きになってしまいがち。今回のように、行ってみたら年代が違う人ばかりでさらに行きにくくなってしまった……ということも少なくないと思います。その一方で参加している方からしてみれば、歯がゆい気持ちもあることでしょう。どうにかこのギャップやハードルの高さを改善できないものでしょうか。

町からは「意見を言ってくれる人が少ない=町民は無関心?」と懸念する声が上がっていました。つまり私たちにまずできるのは意思を表示すること。最初は、はい、いいえ、だけでもいいのです。自分たちの住む町のこと、他人事ではなく自分事として考え、よりよくしていきませんか?

柿丸

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